自然言語処理による探求学習支援のための学習ログ活用

抄録

教育現場では文部科学省が掲げる GIGAスクール構想により、生徒一人ひとりにICT端末を与える「1 人 1 台端末」環境が促進されている。そこで生み出される教育データに先端技術を掛け合わせ、教育の質を向上させることが期待されており、文部科学省を筆頭に様々な企業や団体が推進事業を行っている。 自然言語処理により、児童が授業の中で作成する成果物（学習ログ）をリアルタイムに解析して児童の発想支援に資する情報を提供するシステムを構築した。本システムは成果物の作成が順調に進んでいない児童を可視化する技術も備え、教師に対してフォローが必要な児童を示唆する。また、模範解答との類似性を示す機能や成果物のグルーピングを行う機能を備え、教師による採点や授業での振り返りを支援する。 実際の小学校授業の中で当システムを試用した。主体的に学びを振り返る方法を得る姿も見られ、児童・教師から高い評価を得た。 当システムを通じて、教師から児童の学習過程を定量的に見ることができることが可能となったため、今後は探究学習によるアクティブラーニングの実現に繋げていくことを検討する。