主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2023年度人工知能学会全国大会(第37回)
回次: 37
開催地: 熊本城ホール+オンライン
開催日: 2023/06/06 - 2023/06/09
様々な分野において,3次元空間内のホットスポットやクラスタの時間変化を表すデータが取得・利用されている.こうしたデータの形態は,点群やグリッド上のスカラ値が想定されるが,このようなデータを多変量正規分布の混合分布でモデル化して追跡し,分裂,消滅などのイベントを検出できれば,データが表す現象の要約や含まれる変動の規則性の抽出に活用できる.林ら(2019)は,モデル化の際に逐次成分を追加するGreedyEMアルゴリズムを時間変化に対応させて拡張して用いることで,混合正規分布のラベル付(追跡)を容易にする手法を検討したが,実験では過剰な分裂などの不安定な現象がみられた.これはグリッドデータを擬似点群で近似した際に,スカラ値に比例する個数の点群をグリッド上に置くという対処をおこなったことが原因と考えられる.本研究では,こうした不安定さを抑制するために,グリッドの隙間にも点群を分布させたより自然な擬似点群データを生成し,これをグリッドスカラデータと併用しながら,計算量を増やさずに安定に解を求める手法を提案する.また異なるアプローチとして変分ベイズ法を使用した場合との比較も行う.