家庭環境における省エネを促進する行動変容支援技術の実現に向けて、本研究では、個人と集団の行動傾向を抽出することを目的とした行動ベクトル化技術と、行動間の関係性を分析する行動ネットワーク分析技術を検討した。具体的には、単身世帯の被験者の生活空間に設置したセンサを用いて、時間帯と行動内容をテキスト化した。そして、得られたテキストデータにWord2Vecを適用し、生活空間での各行動を表す単語のベクトル表現を学習した。単語ベクトル間の類似度の算出と、単語ベクトルのクラスタリングを行った結果、各世帯の行動傾向を可視化することが可能となり、個人の特性に応じた行動変容支援を検討できる見込みが得られた。また、4人世帯から得た行動のテキストデータにWord2Vecを適用し、行動間の関係性を記述するネットワークを作成した。この行動ネットワークに対する分析により、集団の中心的行動やメンバー間の相互作用、さらにはメンバー間の行動パターンの類似度を抽出することが可能となった。以上の結果から、省エネを促進する行動変容支援において、個人や集団の行動傾向の把握により、効果的な介入が期待できることが明らかとなった。