人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第38回 (2024)
セッションID: 2F5-GS-5-02
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交渉履歴を用いたTransformer導入による最適な合意形成の実現
*大野 優太荒井 幸代
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抄録

近年,AIによって人や組織,さらには国家間の交渉問題を解決支援する「自動交渉エージェント」が注目を集めている.交渉問題とは,複数の代替案の中から意思決定者が満足できる合意案の収束へと導く問題である.自動交渉エージェントの導入によって,大規模な交渉問題に対しても意思決定者の効用を最大化する「交渉」が期待できる.現状で最も優れた自動交渉エージェントは深層強化学習(DRL)を用いている.しかし,DRLによる手法は,事前に交渉相手との直接交渉を繰り返すことで戦略を学習するため,事前交渉を行う環境がない場合の対応が困難である.本提案手法では,従来研究では,2者間交渉を対象として,他エージェントとの交渉履歴だけを利用した交渉戦略の獲得を目的とする.の強化学習よりも時系列による因果関係を明示的に扱えるDecision Transformerを導入する.計算機実験によって,提案手法はTransformerによるBehavior Cloning(BC)と比較し,提案手法は高い性能を示した.

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© 2024 人工知能学会
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