主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2024年度人工知能学会全国大会(第38回)
回次: 38
開催地: アクトシティ浜松+オンライン
開催日: 2024/05/28 - 2024/05/31
近年、OpenAI社のChatGPTなど、GPTを基礎とする生成AIは急激な成長を遂げており、文章の生成翻訳、質問への回答など様々なタスクを高い精度でこなすことができるようになっている。しかしハルシネーションなど事実とは異なる情報を生成する場合があるが、生成モデルの出力の過程はブラックボックスとなっているため、どのようなデータに基づいているかその原因を特定することは容易ではない。また、推論など段階的に解決する必要のある複雑な問題に対しては未だ性能に課題が残っており、様々な改善手法が模索されているが、そもそも生成AIが1から論理的な計算を行えるという保証はない。そこで生成AIの文章生成処理とは別に、明示的な論理構造を持たせることを提案する。実験として、そのプレイにおいて推論が必要な人狼ゲームを題材に、人狼ゲームをテキスト入出力で自動プレイするエージェントの構築を行い、生成AIとしてGPT-4を採用しつつもその外部に論理構造を持たせプロンプトに組み込んだ場合とそうでない場合の比較を行った。主観評価の結果、提案手法は論理構造を持たないベースラインを上回り、より適切な推論が行えることを示した。