人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第38回 (2024)
セッションID: 3Xin2-44
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順序回帰における精緻なラベルのデータとクラス粒度の粗いラベルのデータを組み合わせた学習手法
*齋藤 慎一朗田原 琢士
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抄録

順序回帰問題とは、ラベル間に順序関係が存在する分類問題である。順序回帰問題を含む分類問題では、収集方法やタイミングの違いにより、通常のラベル(精緻なラベル)付きデータと、それよりも粗いラベルの付いたデータが得られる場合がある。本来は得られるデータを全て活用して学習を行いたいが、異なる粒度のラベルのデータをそのまま結合して同時に学習することはできない。そこで本研究では、ラベルの粒度が異なるために組み合わせて学習できないデータについて、特定の確率分布に基づいたソフトラベルにラベルを変換し、精緻なラベル付きのデータに粗いラベルの学習データを加えることで、順序回帰問題の学習データを拡張する。提案手法の有用性を検証するために、2つのベンチマークデータセットを用いた実験を行った。その結果、順序回帰問題におけるLightGBMの性能が、提案手法によって、最大でaccuracyが約0.02、MAEが約0.04改善することを確認した。さらに、確率分布のパラメータである分散が小さいほどaccuracyが改善し、大きいほどMAEが改善する傾向となることがわかった。

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