消費者生成メディアにおける意見を考慮したモデルの提案とユーザ戦略の調査

抄録

消費者生成メディア (CGM) は, ユーザによるコンテンツの提供により成り立っている. コンテンツの提供を持続させる条件はコンテンツ作成のコストを周囲のユーザからのコメントや「いいね」などといったリアクションから獲得できる心理的報酬が上回ることである. CGM存続のための条件を調査したモデルとして, SNS規範ゲームがある. 本研究では, このSNS規範ゲームに、エージェント自身の意見とエージェントが投稿するコンテンツの意見を付与したCGMのモデルを提案する. エージェントが投稿するコンテンツに付与する意見とエージェントが持つ意見は仮想的に実ベクトル空間により定義する. またこのモデルを用いて、 同一の意見や思想をもつエージェント同士のコミュニティ形成により, エージェントの投稿頻度や、投稿内容の質、コンテンツの意見の変化を調査する. 調査の結果, エージェントは周囲のエージェントの意見に合わせて, 投稿するコンテンツの内容を変化させることがわかった.