人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第38回 (2024)
セッションID: 4Xin2-64
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連想ボードゲーム・ピクチャーズにおける抽象化・具体化能力と性格特性に関する研究
*鈴木 丈慈坪井 辰馬大橋 玲音加藤 勇護櫻井 響坪倉 和哉小林 邦和
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抄録

本研究では, 画像を用いた意思疎通を行うボードゲームである「ピクチャーズ」を通して, 能力や性格の個人差が抽象化・具体化能力に及ぼす影響を調査した. ピクチャーズは, 3名以上の参加者が交互に問題を出し合うことを繰り返すゲームで, 出題者は5種類の道具を使って20枚の写真カードの中の一つを表現し, 回答者は問題が対応する写真カードを推測する. 出題者には道具を用いて画像を抽象的に表すための能力が, 回答者には問題を具体化する能力が要求される. 実験では, 35名の回答者を対象に簡略化した問題を提示し, 正答率を算出した. 加えて, 個人の能力や性格特性に関する個人特性のデータを収集するためのアンケートを実施した. その後, 収集したデータをもとに回答者の個人特性と問題の正答率との相関分析を行った. 分析の結果, 抽象化・具現化能力が高いことを自覚している回答者ほど正答率が有意に高いことが確認され, 個人特性がパフォーマンスに影響していることが示唆された. 本研究は, 画像を用いて意思疎通を行う抽象化・具体化が必要なタスクに対する人工知能の発展に寄与することが期待される.

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© 2024 人工知能学会
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