主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2024年度人工知能学会全国大会(第38回)
回次: 38
開催地: アクトシティ浜松+オンライン
開催日: 2024/05/28 - 2024/05/31
近年の計算化学では,化学反応の詳細なプロセスを計算で求める人工力誘起反応法(AFIR法)などの手法が開発されている.しかし,この手法から得られる化学反応プロセスの計算結果は,情報の粒度が細かく可読性が低い.本研究では,論文等において化学反応のプロセスの説明に用いられる「素反応」と呼ばれる複雑な化学反応を構成する単純な化学反応を用いて,化学反応プロセスの結果を解釈できるシステムを提案する.素反応を含む化学反応のオントロジーとしてはRXNOなどが存在するが,その知識は記述的なものが多く,化学反応プロセスの自動的な解釈には不十分である.そこで本研究では,素反応の反応の前後における分子の構造パターンの変化の記述を中心とした,素反応に関する新たな知識ベースの枠組みを提案する.また,この知識ベースに基づいて化学反応プロセスの解釈を行う方法を検討し,実際の計算結果を用いた検証を行った.