人狼ゲームで相手の意図を予測し最適な行動をとる能力は人間社会でも重要である。実際の人間社会は2陣営のように単純ではないが、現在人狼知能の研究は村人と人狼の2陣営でしか行われていない。本研究では第3陣営である妖狐と背徳者を含めた配役でルールベースで定めたAgentを作成し、人間同士のプレイ統計と比較して人間におおむね近い行動をとれたことを確認した。また、特定の状況下でのQ学習Agentを作成するために、学習対象を背徳者1体に定め他をすべて作成したルールベースAgentにして対戦を行い投票先を学習した。投票率は背徳者にとって排除したい占い師や人狼が高く、すべてルールベースAgentで対戦させた場合より勝率が上昇した。ルールベースAgentに対して有効な投票先を学習できた一方で、追放に直結しない投票先を選択していた場合もあった。
