主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2025年度人工知能学会全国大会(第39回)
回次: 39
開催地: 大阪国際会議場+オンライン
開催日: 2025/05/27 - 2025/05/30
近年のEC市場拡大により配送需要が増加する一方、労働規制強化等によるドライバー不足が深刻化し、2030年には約34%の輸送能力が不足すると予測される。本研究は、こうした課題に対し、ドライバーが実際に考慮している配送領域の区分(セグメント単位)を組み込んだ新たな配送計画手法を提案する。提案手法では、荷物を集約するセグメント単位と駐車場単位の二段階で計画を生成し、遺伝的アルゴリズムを用いて時間指定を含む配送順序を最適化する。また、一度に積み込めない荷物を別車両で運んでもらい途中で補充するドッキングにも対応し、実運用に近い形で設計した。実データを用いたケーススタディでは、既存手法と比較してセグメント間の余剰移動を削減しつつ、総配送所要時間を約1%短縮できることを示した。さらに、時間指定荷物数が増加しても遅延を生じさせず柔軟に対応可能である点が確認された。今後は、特定の荷物が引き起こすボトルネックを明らかにし、需要側との協力を通じたさらなる効率化を目指す。