日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
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論文集
天然石ビーズを用いた熱緩和測定
*森 愛花三野 弘文
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抄録

水晶をはじめとする天然石は透明なものから,様々な色や模様を持った美しい石として身近な存在であり,装飾品等に幅広く用いられている.学術的には,化学組成や結晶構造,硬度などの特性について図鑑などで示されているが,熱に関する特性についての研究は少ない.そこで,本研究では直径8 ㎜とサイズを揃えた天然石ビーズ約20種類を対象に,熱湯に浸して高温にした後で空気中に取り出し,その温度変化をサーモグラフィーで観測する実験から熱緩和現象について調べた.各種天然石ビーズの表面温度の時間変化が,熱平衡に至る線形緩和過程の理論曲線に則した振る舞いを示すことから,熱緩和時間を導出した.その結果,SiO2を主成分とする天然石においては,ある一定の範囲に収まる緩和時間が得られること,構成要素の異なる天然石では,特に密度の高いヘマタイトやマラカイトなどの鉱物について緩和時間が長くなることが明らかになった.

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