人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第39回 (2025)
セッションID: 3H1-OS-10a-05
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AIを用いたワクチンの最適化とプロセス中の免疫学的示唆
*川端 孝典藤橋 浩太郎中橋 理佳山野上 朋之町田 智紀都築 拓立川 剛至川上 英良
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抄録

背景 ワクチン研究開発では、免疫学的知見に基づいて高い抗体価を誘導するワクチンが要請される。しかし、免疫学の発展は著しい一方で未解明なメカニズムも多い。さらに、マウスを用いた実験では一度の評価に数ヶ月かかることは珍しくはない。 目的 可能な限り少ない回数でマウスの抗体価が高くなる開発パラメータを見つけることと、免疫学的メカニズムに関して学術的な示唆を得ること。ワクチンの研究開発にAIを導入した事例を報告する。 結果 実験パラメータの最適化にはベイズ最適化を用いた。プロセスの途中でベイズ最適化から生成された条件と履歴データを照合し、大規模言語モデル(LLM)と免疫学の専門家と共同してディスカッションすることで、検証する価値のある免疫学的な仮説が生成された。ベイズ最適化の終了時には、ワクチン開発の観点から意義のある結果が得られた。 結論 AIの利用は、実験パラメータの最適化のみならず、学術的メカニズムの解明につながる潜在的な可能性を持っている。

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