人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第39回 (2025)
セッションID: 3O1-OS-44a-01
会議情報

マルチエージェントによる変分推論を用いた連続的な記号創発
*長野 匡隼中村 友昭谷口 彰谷口 忠大
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

記号(言語)の創発現象を構成論的アプローチで明らかにするために,創発コミュニケーションに関する研究が近年注目されている.その一つとして,複数のエージェントが隠れ変数を共有し,それをベイズ推論を通じてモデル化する集合的予測符号化仮説が提唱されている.記号を推論する方法として,複数のエージェントが同一の対象を観測し,その観測を共有された名前で表現するMetropolis-Hastings (MH) 法に基づく名付けゲームであるMH Naming Game (MHNG) が提案され,多くの発展的手法が開発されてきた.MHNGはMH法に基づくため学習効率が低く,より学習効率の高い変分ベイズ法を用いたVariational Bayesian Naming Game (VBNG)が近年提案されている.しかし,従来のVBNGでは離散的な記号のモデル化にとどまり,観測を詳細にサインで表現できなかった.そこで本稿では,VBNGにガウス過程を導入することで,連続的な記号を効率的に推定可能な手法を提案する.実験では,複数のエージェントによる名付けゲームタスクにより,提案手法によって分散的ベイズ推定が可能であることを示す.

著者関連情報
© 2025 人工知能学会
前の記事 次の記事
feedback
Top