プレス成形金型設計においては,成形性や寸法精度を満たす金型形状導出のために有限要素法(FEM)が広く用いられている。その際,成形品が各種要求を満たすまで金型形状を変更してFEMを繰返し実施することが多く,大規模かつ複雑形状に対しては計算時間を要するため、限られた時間で有効な解を得ることが困難になりつつある。その対策として、FEMをAIで代替するサロゲートモデルの開発が広く進められている。しかしながら、3次元データを直接用いると次元数の大きさゆえにモデル学習が非効率になり、実用精度を得るためには多量のデータが必要となる。一方で、FEMデータを用意するには時間を要する。そこで,少量データで高精度にモデル学習するため,形状特徴を失わずにデータを次元圧縮する方法を検討した。形状によらず固定次元数に圧縮できるPolyCubeに着目して,プレス成形の知見を元にフィレット部などの特徴形状を密に、他は疎に表現することで金型に適用した。結果として、元データから最大誤差を約0.5mmに収めながら次元圧縮率98%で元形状を表現可能なことを確認し、実用に足る次元圧縮技術であることを示した。