人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第39回 (2025)
セッションID: 3Win5-76
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知識処理を用いた化学分析データの物質同定ワークフロー改善
杉本 哲*楊 銘彦荻野 康太清水 悟司
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抄録

ガスクロマトグラフ質量分析装置は様々な揮発性物質の含有量を計測できる装置であり、材料・食品の品質管理から疾患の判別まで様々な分野で多変量解析・機械学習用途において入力データとして用いられている。この多変量解析・機械学習の結果を科学的な知見として活用するには寄与した次元から物質名を同定する事が重要である。通常の同定作業では、分子に高いエネルギーを加えて切断した際の分子片の質量分布(スペクトル)の類似度を用いて、標準スペクトルが登録されたライブラリを検索することで物質を同定している。しかし、類似のスペクトルが多いため多数の候補物質が存在し、正しい化合物が検索から漏れてしまう場合がある。本稿では知識処理技術を活用して一連のワークフローを改善するシステムを提案する。材料・食品の品質に関するオープンデータを用いた実例で、化合物の見逃しが減ることを示す。

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