将来的な売上を最大化するための価格最適化の手法として，需要の予測モデルを学習し，その予測モデルを用いて価格を最適化する処方的価格最適化が注目されている．しかし，この手法には予測誤差の影響で売上を過大評価してしまい，結果として最適価格による将来的な売上が想定よりも大きく減少してしまうという課題がある．本研究では，交差検証による売上の推定値を用いて，処方的価格最適化における合理的な価格範囲を推定する手法を提案する．価格範囲を適切に設定することで，予測誤差による価格設定の誤りを防止することができ，また人手で価格を設定する際にも設定者の負担を減らす効果が期待される．人工データを用いた数値実験の結果から、提案手法により推定した価格範囲を適用することで，将来的な売上の減少を軽減できることを検証した．
