日本応用数理学会年会予稿集
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セッションID: K04
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K04 特別講演04
E-cellプロジェクト:細胞のコンピュータシミュレーション
富田 勝
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抄録

E-CELLプロジェクトは細胞全体をまるごとコンピュータ上に構築すること究極の目的として96年に発足した。E-CELLは酵素反応や膜輸送、遺伝子発現などの化学反応をルールとして個々に定義するとそれらを擬似並列に実行し全体の振る舞いをシミュレートする。このE-CELLシステムを用いて、我々は昨年までに127個の遺伝子からなる仮想の「自活細胞モデル」を完成させた。
また最近ではE-CELLを用いてヒト赤血球細胞のシミュレーションを完成させた。現在ではこのモデルの酵素活性を人工的に阻害することによって、先天性貧血の原因であるGGPD欠損症などの遺伝病における赤血球細胞の状態をコンピュータ上に再現することを試みている。また、心筋細胞、神経細胞、ミトコンドリアなどの細胞モデルも構築している。

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© 2002 日本応用数理学会
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