抄録
宇宙開発事業団を中心に、将来のエネルギーを確保する手段の一つとしての宇宙太陽発電システム(SSPS)の検討が行なわれている。SSPSは低軌道で半年程度の期間を掛けて組み立てられた後、更に半年程度の期間を掛けて静止軌道に運ばれて運用に供される予定である。本講演では、低軌道から静止軌道への最適な軌道変換を扱う。軌道生成に要する時間を削減するために平均化法を使用し非線型計画問題として定式化する。その問題を逐次二次計画法(SQP)を使って解く。地球重力場の扁平性、地球の蝕、放射線による太陽電池の劣化が大きな影響を与える。これらの影響により、最適解がどのように変わるかを示す。