抄録
ゲノム創薬を実現するためには、蛋白質・薬物の網羅的配座解析や分子動力学法、分子軌道法等の大規模な分子計算やデータベース処理がシームレスに、かつ超高速に行えることが必要である。本研究では、スーパーコンピュータ、ワークステーション、パソコン、データベース等の広域で高速なネットワーク上に分散した計算機資源を接続して一つの仮想的な巨大計算機を構成することにより、ローカルな計算資源のみを使用する従来の計算科学の方法では不可能であったハイスループットの超大規模計算を可能にする次世代広域分散計算技術であるGridテクノロジーを活用し、各種分子計算プログラム、大規模配座データベースを統合した「創薬プラットフォーム」の構築プロジェクトとその応用例についてを紹介する。