抄録
本稿では,濃淡面図形の画像復元問題において用いられるニューラルネットワークの安定性について議する.このニューラルネットワークは線形常微分方程式系によって記述されるが,ここでは特に,その線形常微分方程式系の解が平衡,すなわち復元画像へ収束する速さ(収束率)を評価する.一般に,ある種の問題にニューラルネットワークを用いた手法を適用すると比較的長い演算時間を要するので,演算時間を見積もる上で,ニューラルネットワークが平衡へ収束する速さを評価することは意味のあることである.本稿では,まず画素数が比較的少ない場合に対しては,ある条件のもとで,ニューラルネットワークの復元画像への収束率が与えられることを示す.さらに画素数が多い場合に対しては,そのニューラルネットワークがある拡散方程式の差分近似になっていることを明らかにし,この事実に基づいて,復元画像への収束率に関する評価が与えられることを示す.