抄録
"我々は、シミュレーションを行う際、エネルギー極小状態にトラップされない効率の良いサンプリングを行うために、拡張アンサンブル法を用いてきた。拡張アンサンブル法とは、従来のカノニカルモンテカルロ法が、ボルツマン因子に基づいてサンプルするのに対し、非ボルツマン因子を用いて状態を効率良くサンプルする方法である(マルチカノニカル法、シミュレーティド・テンパリング法、レプリカ交換法)。最近、従来の方法を結合することにより、新しい拡張アンサンブル法の開発を行った(レプリカ交換マルチカノニカル法、マルチカノニカルレプリカ交換法(Y.Sugita and Y.Okamoto,Chem.Phys.Lett.329(2000)261)、レプリカ交換シミュレーティッド・テンパリング法(A.Mitsutake and Y.Okamoto,Chem.Phys.Lett.332(2000)131)(review; A.Mitsutake,Y.Sugita,and Y.Okamoto,Bioplymers(Peptide Science)60(2001)96)。ここでは、これらの方法について述べる。"