抄録
Gibbs-Thomson則による表面張力効果を考慮した2相Stefan問題の準定常近似を考える。これはMullins-Sekerka問題とも呼ばれる。その物理的な背景から、時間方向への半離散化問題が自然に導出される。それは各時間ステップにおいて、有界変動関数のクラスにおけるある変分問題になる。物理的には、界面エネルギーと界面の運動によって発生する潜熱が生成する熱エネルギーの総和を最小化することに相当している。
本講演では、この変分問題の導出および、これまでに得られているglobal mimnimizerの数学的性質について報告を行う。