抄録
近年、非線形最適化問題を解くための準ニュートン法を大規模な問題に適用できるような工夫として、記憶制限準ニュートン法が注目されている。本発表では、Nocedalの記憶制限準ニュートン法を改良して、大規模非線形方程式を解くための記憶制限準ニュートン法を提案する。これは、セカント条件を拡張した条件を満足するように近似行列が更新されるもので、サイジングのテクニックを組み込むことによって計算効率が良くなることが期待される。また、更新公式に含まれる行列の積形式をうまく利用することによって、提案する解法はNocedalの記憶制限準ニュートン法と同程度にメモリ量を低減することが出来る。