抄録
核融合炉のイバータはプラズマからの大量の熱や粒子に耐えるため、炭素系材料やタングステンによって、その表面保護が行われる。核融合炉真空容器内に冷却材が侵入する事象を生じた場合、侵入した水の蒸発に伴って発生する水蒸気とイバータ表面材料とが化学的に反応し、水素等の可燃性ガスを生成することが考えられる。そこで、冷却材侵入事象下で想定される水蒸気と炭素材との化学反応挙動を数値解析によって調べた。化学反応解析は、気相、液相、固相を統一的に解く3次補間擬似粒子法を使って、1000℃の高温環境化下で炭素材表面に水蒸気が一定速度で衝突して水素等が発生する現象の数値的解明に成功した。水蒸気の衝突速度等を変えた一連の解析を行い、核融合炉冷却材侵入時の化学反応挙動を数値的に評価できる見通しを得た。