植物組織培養
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ニンニクの in vitro 培養でのシュート並びに小球形成
藤目 幸擴工藤 りか奥田 延幸
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1993 年 10 巻 1 号 p. 9-16

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抄録
ニンニクの小鱗茎あるいは珠芽を供試し, 試験管内でのシュート形成と小球形成に及ぼす, 供試部位並びに植物生長調節物質の影響を調査した.
茎頂部を用いた場合, BA濃度を高くするほどシュート数は増加した. また, 小球形成においては, BA及びNAAともに低濃度で促進され, ホルモンフリーの培地でもっとも促進された. 底盤部では, BA濃度を高くするほどシュート形成率は促進される傾向が認められた. 小球は2ppm BA区でのみ形成された. 普通葉の下部を用いた場合, BA濃度を高くするほどシュート形成率は促進され, シュート数は他部位より増加した. 小球形成はBAあるいはNAAのいずれかを含む処理区においてのみ起こり, NAAの濃度が低いほど小球数は増加した.
以上の結果から, どの供試部位でもBA (1,2ppm) は, シュート形成を促進すると考えられ, NAA (0,1,2ppm) は, 低濃度ほど小球形成を促進すると思われた.
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© 日本植物細胞分子生物学会
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