抄録
セロリF1品種より誘導した懸濁細胞培養において, 窒素源の流加培養を行った. アンモニア態窒素と硝酸態窒素を含む Schenk and Hildebrandt 培地 (SH培地) ではアンモニア態窒素の枯渇が増殖の律速になっていて, アンモニア態窒素を流加することによりそれを回避することができた. また, 硝酸態窒素の流加によってアンモニア態窒素の枯渇による比増殖速度の低下を抑えることができ, また, 硝酸態窒素のみを窒素源とする培地 (SH-NH4培地) で硝酸態窒素を流加することによってSH培地でのアンモニア態窒素の流加培養と同等の培養効率が得られた. このことから, 培地中の硝酸態窒素を一定値 (一定値幅) に制御することによってアンモニア態窒素と同等の利用効率が得られることが示唆された.