1996 年 13 巻 1 号 p. 43-48
5品種のシクラメン (Cyclamen persicum Mill.) を用いて, 黄化葉柄からの体細胞胚の誘導を試みた結果,‘アンネッケ’のみで体細胞胚形成が認められた.
5.0μMの2,4-Dと0.5μMのカイネチンを添加したMS培地を用いた25℃暗黒下での培養が体細胞胚形成に最も適しており, また, 5-10cmの葉柄の先端1/3の部分から得られた外植体において, より高い割合でより多くの体細胞胚が形成された.
本研究により, 黄化葉柄からの体細胞胚の形成は, シクラメンのマイクロプロパゲーションにおける有効な手段の一つになり得ることが示唆された.