植物組織培養
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組織培養を利用したシイタケ原木 (クヌギ) の生産
クヌギの成木からの増殖
中沢 慶久戸田 義宏
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1989 年 6 巻 1 号 p. 28-30

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抄録

クヌギ (Quercus acutissima CARRUTH) は, シイタケ (Cortinellus shiitake P. HENN.) の榾木として重要であり, 成木からのクローン増殖が強く望まれている. 筆者らは, 8年生のクヌギを温室内に搬入し, 育成して得た当年枝を材料として試験管内 (挿し木) 増殖を試みた. まず, MS培地に0.5mg/lの6-BAを添加した初代培養では1ヵ月後に外植体1本から10数本のシュートが得られ, WPM培地に0.5mg/lの6-BAを添加した継代培養でさらに多数のシュートが得られた. 次に得られたシュートを発根培地であるWPM培地 (1.0mg/lのIAA添加) に移植したところ1~2週間後に発根が見られ, 約1ヵ月後には馴化可能な個体が得られた.

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© 日本植物細胞分子生物学会
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