1990 年 7 巻 3 号 p. 187-192
組織培養で増殖したヤマユリを土壌に移植栽培し, 開花までの球根の育成経過と開花特性について調べた. 組織培養で増殖した球根は, 栽培3作目に開花した. 球根の生育には大きな差があり, 栽培2作目の収穫時には1gから最大35gまでの重量の差が生じた. 栽培3作目の開花時期および花の品質は均一であり, ウイルス病斑もみられなかった. 花被が4枚あるいは5枚の異常花が観察されたが, これは球根重量15g以下の未成熟の球根でのみ発現し, 15g以上ではすべて正常であった.