2014 年 26 巻 1 号 p. 25-30
生命現象を生きている状態,かつ生体内で観察することは極めて重要である. 近年,生命科学の分野では,様々な蛍光プローブを用いたイメージング技術の発展や,撮像機器の開発により,細胞や組織内外における分子のリアルタイムな挙動が次々と明らかになってきた.2光子励起顕微鏡は深部到達性,低浸襲性といった,生体深部のイメージングに適した特性を持つ顕微鏡である.我々は植物の深部で起こる生命現象を「生きたまま」解析するため,2光子顕微鏡を用いて植物組織の深部イメージングに挑戦してきた.本稿では,最新の2光子励起顕微鏡を用いた植物深部のin vivoイメージングについて,その特徴と利点を簡単に紹介したい.