PLANT MORPHOLOGY
Online ISSN : 1884-4154
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特集 最先端可視化技術による植物解析~見る顕微鏡から捉える顕微鏡へ
レーザーマイクロダイセクション法を用いた凍結切片からの遺伝子発現解析
朝比奈 雅志 中野渡 幸山田 一貴湯本 絵美佐藤 忍
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2020 年 32 巻 1 号 p. 39-43

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抄録

レーザーマイクロダイセクション(Laser Microdissection; LMD)法は,顕微鏡とレーザー照射装置が接続された機器を用いて,切片を観察しながら標的細胞・組織をレーザーで切断して対象領域を回収する方法であり,組織特異的な遺伝子発現解析などに活用されている.LMD法はこれまでに動物組織を中心に多くの研究成果が報告されてきたが,植物においても,LMDを応用した様々な研究成果が報告されるようになっている.近年,LMDによって回収した組織は,遺伝子発現解析の他,DNA,タンパク質,代謝産物など,様々な解析への適用が実現しており,細胞・組織レベルでの時空間的定量解析が可能となっている.本稿では,我々が用いているレーザーマイクロダイセクションを用いた植物凍結切片からの組織回収と遺伝子解析,植物ホルモン分析の概略について紹介する.

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© 2020 日本植物形態学会
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