小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
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症例報告
菊池病を伴ったEpstein-Barrウイルス感染症に合併した円板状エリテマトーデスの一例
西村 由依石田 宏之友安 千紘岡野 創造奥沢 康太郎香月 奈穂美秋岡 親司
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2024 年 14 巻 1 号 p. 42-48

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抄録

菊池病に伴ったEpstein-Barrウイルス(EBV)感染症に合併した円板状エリテマトーデス(DLE)の症例を経験した.症例は7歳男児.発熱と頚部リンパ節腫脹を認め,菊池病と診断した.ステロイド加療を開始後,いったん症状は軽快したが,治療終了とともに再発熱と頚部リンパ節腫脹の増悪に加え,頬部と手掌・足底に滲出性紅斑が出現した.初診時EBV-VCA-IgGと全血EBV-DNA量が高値,EBNA陰性でありEBV初感染と考えられた.頚部リンパ節生検で再度菊池病であることを確認した.その後,全身所見は自然に改善したが頬部紅斑のみ増悪した.抗Ro抗体,抗ds-DNA-IgM抗体,抗Sm抗体,抗RNP抗体が一過性に陽性となり,臨床的・皮膚生検所見からDLEと診断した.紅斑はタクロリムスの外用で改善し,その後,EBV-DNAは感度以下となり,自己抗体もすべて陰性化した.菊池病に伴うEBV感染を契機に自己抗体が産生され,菊池病と類似した分子メカニズムをもつDLEを発症したと考えられた.

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© 2024 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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