全身性エリテマトーデスの稀な合併症に蛋白漏出性胃腸症があり, ループス関連蛋白漏出性胃腸症(Lupus associated protein losing enteropathy : LUPLE)という. 眼瞼・下腿浮腫から蛋白漏出性胃腸症が疑われ, 精査の結果, LUPLEの診断に至った小児例を経験した. 症例は11歳女児. 眼瞼浮腫, 抗核抗体高値, 低蛋白血症, 低アルブミン血症, 低補体血症, 抗SS-A抗体高値を認めたが, 尿蛋白陰性, 発熱や腹部症状は認めなかった. 99mTc-DTPA-HSA シンチグラムでの腹部集積像と便中α1アンチトリプシンクリアランス亢進を認めPLEと診断した. 腎生検でClassⅡループス腎炎を認めLUPLEと診断した. 鑑別としてループス腸炎および低補体血症とPLEを来すCHAPLE症候群は否定的であった. 小児期発症LUPLEを文献検索で集積した14症例を解析した結果, 臨床像は概ね成人期発症LUPLEと同様の傾向にあることがわかった. SLEの合併症に蛋白漏出性胃腸症があり, 初発症状となりうることに注意する.
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