小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
若年性線維筋痛症患児の入院治療の実際と効果
菊地 雅子野澤 智佐藤 知美西村 謙一金高 太一櫻井 のどか原 良紀山崎 和子横田 俊平
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2014 年 5 巻 1 号 p. 26-31

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抄録

当科では,若年性線維筋痛症 juvenile fibromyalgja:JFM)に対して,環境分離を主軸とする入院治療 を行ってきた.入院の適応は,重症例もしくは社会的因子が病状に強く影響している場合である. 入院では,規則正しい生活と院内学級通学,リハビリテーションが治療の中心であり,同時に環境調 整(家族や学校との面談)を進め,必要に応じて薬物療法を併用する. 2001年3月~2012年12月までの期間に,当科で入院加療したJFM患児32例について,その効果と 実際について検討した.結果は,臨床症状と重症度において,退院時のステージが17例(53%)で改 善し増悪は1例のみだった.また,入院中9例(31%)に圧痛点の減少があり,うち6例(19%)は退 院時に圧痛点が消失した.入院時に不登校の患児は25例(78%)で,うち9例(36%)が退院後3か月 の時点で登校可能となった. 入院治療による多面的なアプローチは,JFMの症状改善に有効と考えられた.

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© 2014 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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