小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
trisomy 8が診断の一助となった小児期発症腸管Behcet病の1例
木澤 敏毅津川 毅竹内 孝子鎌 崎 穂高要藤 裕孝五十嵐 敬太山本 雅樹堀 司畠山 直樹斉藤 淳人東海林 黎吉堤 裕幸
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2014 年 5 巻 1 号 p. 52-56

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抄録
腸管Behcet病と診断した12歳男児を経験した.児は幼少時より非周期的に反復する発熱,口腔内ア フタを呈し,血液検査では炎症反応の上昇を認めていたが各種培養は陰性であった.不明熱,周期性 発熱としてCT, MRI,シンチグラムに加え,骨髄穿刺を施行したところ,染色体検査でtrisomy 8と 判明した.trisomy 8の存在から腸管Behcet病を疑い内視鏡検査を実施したところ,食道下部及び回盲部に円形の潰瘍を複数個所に認めたため,trisomy 8に伴う腸管Behcet病と診断した. trisomy 8に伴う骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)の報告が散見されているが,血球系には異常を認めなかった.不明熱の診断過程にて骨髄染色体の異常が診断につながった希有な症例であり,腸管Behcet病の発症機序を考えるうえで非常に興味深い症例と考えられた.
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© 2014 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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