日本草地研究会誌
Online ISSN : 2433-0132
Print ISSN : 0447-5941
八ヶ岳山麓における荒廃牧野復旧に関する研究 : 第1報 牧野及び侵蝕の実態
笠井 辰郎内堀 甲子生
著者情報
ジャーナル フリー

1959 年 4 巻 3-4 号 p. 148-150

詳細
抄録
(1)八ヶ岳における標高1600mの高台地に展開する荒廃牧野を改良するため,1954年より基礎調査を行つた。(2)年平均気温は8〜10℃,夏季の最高気温は20〜24℃であつて,日夜気温の激変と四季の変化が急激である,また降雨は1時的に夏に多く,年間通じて少く,無霜期間は120日程度,冬季は寒風が強く,八ヶ岳おろしと呼ばれる寒冷寡雨型気象である。(3)土壤は安山岩の火山軽鬆土にして,黒色を呈し雨水による流亡は極めて多く,しかもpHは高く有効燐酸が殆んど少い瘠地である。(4)傾斜角度の急の場合は草地裸地何れも流去水量,流去土量は多く,草地と裸地における侵蝕は傾方向と風向及び降雨量の多少によつてか,流去水量と流去土量は一致しないようであるが,流去土量は裸地は極めて多い。
著者関連情報
© 1959 日本草地学会
前の記事 次の記事
feedback
Top