日本草地研究会誌
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アルファルファの栽培並びに飼料的利用に関する研究 : III アルファルファの若干の品種における茎葉比と飼料成分
大原 久友吉田 則人福永 和男
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1960 年 6 巻 2 号 p. 99-103

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抄録
アルファルファの11品種について刈取期,すなわち開花前期・開花1/5期・開花盛期における飼料価値を左右する要因の一つである茎葉比と飼料成分について研究したが,この結果を摘要するとつぎのごとくである。(1)開花前期,開花1/5期,開花盛期における10a当生草量は,それぞれの品種的特性によって差があるが,Du Puits,Narragansettなどの早生種においては開花1/5期,Rambler,Grimmなどの晩生種では開花盛期にもっとも多く,11品種平均においては開花1/5期が2185kgであり,もっともこの時期に収量が多く,開花盛期1867kg,開花前期1453kgの順である。(2)各刈取期における茎葉比は,それぞれの特性によって若干の差異が認められるが,開花前0.92,開花1/5期0.70,開花盛期0.53を示し,生育階梯の進むとともに葉部比率の減少が認められる。(3)各刈取期における茎部,葉部の飼料成分は前者においては大きな差異は認められないが,葉部においては生育階梯の進行とともに粗蛋白質,カロチンの濃度が減少し,石灰・燐酸が増大する傾向がみられる。また葉部と茎部の飼料成分の差は粗繊維を除いてはいずれも葉部に保全素としての諸成分ともに多く,葉部の多いことがアルファルファの栄養価値を高める一つの手段である。各品種間には大きな差が認められない。
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© 1960 日本草地学会
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