霊長類研究 Supplement
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
セッションID: P-24
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ポスター発表
島嶼小型化によるニホンザルの頭蓋形状変異は島嶼間で共通か
*矢野 航*西村 剛*河部 壮一郎*江木 直子*高野 智*荻原 直道*小萱 康徳*佐藤 和彦*渡邉 竜太*江尻 貞一
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抄録
[目的]島嶼環境では顕著で急速な形態変化が生じ,大型哺乳類では体サイズの小型化に加え 特殊な形状変異が見られる(島嶼化).ニホンザルでも屋久島(鹿児島県)と金華山(宮城県)の島嶼集団が島嶼効果を受けたと考えられる(Mouri and Nishimura, 2002; 矢野ら , 2013).大型哺乳類における島嶼効果ではサイズ変化(小型化)が共通している一方,形状の変化には共通のパターンが認められるかについては議論がある( Noback et al., 2010; Kohler and Moya-Sola, 2004)Kohler and Moya-Sola( 2004)および Weston and Lister (2009)では島嶼効果を受けた大型哺乳類に,共.通して神経型の成長を持つ眼窩および脳頭蓋にアロメトリックな縮小化が見られることを報告している.本研究では出生後から成体までのニホンザル 3集団(本州 1集団,島嶼 2集団)の横断的骨格試料を用いて島嶼集団の頭蓋顔面形態に共通したパターンが見られるか,特に眼窩および脳頭蓋の形態に注目して検証した.
[材料と方法] 新生仔~成体のニホンザル頭蓋骨格標本(本州 57体,屋久島 48体,金華山 30体)計135体を用いた.各標本を医療用 CTで撮影し,3次元像を再構成した.計 42点の解剖学的特徴点を用いて頭蓋骨格の形状を表現し,その変異を幾何学的形態測定法で定量評価した後,各集団のサイズ変異,形状変異を主成分分析により導出した.
[結果と考察] 島嶼型 2集団の頭蓋骨格には本州集団と比べ小型化が認められた.一方予想と異なり,小型化した島嶼型2集団の頭蓋形態変異は別の傾向を持っていた.共通すると考えれた眼窩や脳頭蓋の形態変異パターンも共通ではなく,島嶼化による頭蓋変異がそれぞれの島嶼環境に依存して固有のパターンを持つことが示唆された.
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© 2013 日本霊長類学会
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