日時:2017年7月15日(土) 13:00-16:00
場所:5階研修室AB
2011年3月11日に発生した東日本大震災は,東北地方の人と自然に未曽有の被害をもたらした。日本霊長類学会では,東日本大震災発生の翌年に関連3学会[日本野生動物医学会・野生生物保護学会(現,「野生生物と社会」学会)・日本哺乳類学会]とともに公開シンポジウム「どうなる野生動物!東日本大震災の影響を考える」を開催するとともに,毎年の大会自由集会や,2015年の国際野生動物管理学術会議でのシンポジウムにおいて,福島県など東北のニホンザルやその生息地の被ばく影響,,住民の帰還予定地における猿害問題など,霊長類研究者が取り組むべき課題について議論し,提言を行ってきた。また,被災地の研究活動や霊長類の保全活動に財政的支援を行った。
今年で,大震災発生後6年が経過したことになるが,多くの人々の記憶からは,震災の教訓や未だ続いている震災の影響のことが薄れつつある。本自由集会では,1)現在のニホンザルの生息状況と被ばく影響について霊長類研究者に周知するとともに,2)取り組むべき課題を再整理し,今後の研究と活動の方向性を提案する。
なお,本集会は京都大学霊長類研究所共同利用研究会を兼ねており,日本霊長類学会霊長類保全・福祉委員会が主催する。
プログラム
1.大槻晃太(福島ニホンザルの会) 被災地のニホンザルの生息実態と被害管理
2.山田文雄(森林総研) 森林生態系への放射線影響
3.羽山伸一(日獣生命科学大・獣医) 福島市のニホンザルにおける放射性セシウムの蓄積状況
4.福本 学(東京医科大/東北大) 福島原発事故による動物影響の概要と課題
5.関連学会からのコメント
・大沼学(日本野生動物医学会)
・奥田 圭(「野生生物と社会」学会)
・山田文雄(日本哺乳類学会)
・福本 学(日本放射線影響学会)
6.総合討論
責任者:半谷吾郎,川本芳(霊長類保全・福祉委員会),大井徹(第33回大会実行委員長)
連絡先:toruoi@ishikawa-pu.ac.jp