霊長類研究 Supplement
第76回日本人類学会大会・第38回日本霊長類学会大会連合大会
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ポスター発表
コモンマーモセットの体組成
三輪 美樹鴻池 菜保中村 克樹
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p. 58-

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抄録

近年、医科学や生命科学など様々な領域でコモンマーモセットを用いる研究が活発に実施されている。実験に供している個体の大きさを国内外で比較すると、日本ではアダルトで300~350gの個体が多いのに対し、例えばドイツでは平均して400gを超える個体を使用しているなど、体重差が大きい。体重の重い個体の方が用いる実験手技の制限が少なく体力的に余力もあるため実験動物として好ましい反面、体重データだけでは真に体格が良い、すなわち筋肉量や骨量が多いのか、あるいは体脂肪が増えて肥満であるのかを判断することができない。そこで、飼育下における実験用コモンマーモセットの適正体重を知るため、小動物用DXA体組成・骨密度測定装置(OsteoSys製 iNSiGHT)を用いて体脂肪量、除脂肪量、骨密度を測定し、体重との相関を調べたところ、少なくとも450g付近までは体重と体脂肪量および除脂肪量が相関していた。骨密度と体重の間に相関は認められなかった。これらの結果から400g以上になっても肥満とはいえず、体重と体脂肪量および除脂肪量が相関している範囲内なら体重が重い方が実験利用に適しているものと考えられた。

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