1975 年 22 巻 p. 121-126
著者は, これまでの一連の論文において, リップ・カレント系の発生は流体系および底質系の流体力学的な不安定機構によるものであることを示した。本論文では, 引き続いて実験的には分離ないしは数値をほとんど変化させえない内在的パラメーターの影響度を理論的に検討し, リップ・カレントの発生はradiation stressによるwave setupが主因であること, 沿岸流はリップ・カレントの不安定増幅率には無関係でただその沿岸方向の発生間隔に影響することを示した。
また, リップ・カレント系のセル構造(リップ・ヘッドの位置・二重セル)について論じた。