海岸工学論文集
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アカウミガメの産卵行動に影響を及ぼす前浜地形と海浜流の特性
渡辺 国広清野 聡子宇多 高明
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2002 年 49 巻 p. 1151-1155

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抄録

ウミガメ産卵地の砂浜では, ウミガメに配慮した海岸保全が求められるが, 具体的な着目点が不明である. 本研究では, 徳島県蒲生田海岸においてウミガメの上陸・産卵調査とともに海浜流観測, 海浜縦断測量を行った. その結果, ウミガメの上陸は沿岸流の弱まる地点に集中し, 上陸位置の決定に海浜流系が関与する可能性が示唆された. また地盤高変動に伴う卵の流出を考慮し, 産卵場所として利用可能な場所を推定した結果, 広い範囲の標高が利用可能な場所に産卵が集中する傾向が見られた. これは浜幅よりも標高による議論がウミガメ産卵地においては有効であることを意味する.

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