海岸工学論文集
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岩肌をもつ人工タイドプールの生物相の変化
綿貫 啓廣瀬 紀一半沢 稔坂本 通昭丸井 隆一
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2002 年 49 巻 p. 1326-1330

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抄録
近年, 人工磯の施工が増えているが, 捨石のみでは潮だまりが形成できないので, 干出に弱い生物が分布できず生物相が貧弱である.著者らは, 天然岩の微細地形を模したユニットで貯水機能を持たせる工法を開発し, 設計手法確立のため, 当工法の実施に当たり, 事前調査, 設計, 施工, モニタリング調査を行っている.施工後26ヶ月後の生物調査の結果では, タイドプール内に多種の付着動物や魚類が生息しているが, 海藻類は遷移の途中相であった.貯水性のため生物の鉛直分布の上限が地盤の高い方へ移動した.タイドプールの外縁部の亀裂には干出時にマツバガイ等が定位した.高さの低いタイドプールではガラモ場が形成され, 酸素供給源になっている.
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© 社団法人 土木学会
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