抄録
沿岸海域の海水流動モデルの構築においては, 風波下における吹送流の鉛直分布や流量の輸送に及ぼす砕波の影響を明確にする必要がある. そのため本研究では, 両端開境界の自然循環式二重床風洞水槽を用いることにより, 従来の水槽では計測が不可能な戻り流れを検出し, 吹送流の全流量に及ぼす風速および砕波の影響について検討している. その結果, 全波峯がほぼ白波状態となる強風下では吹送流の全流量の約6割が有義波高の約2倍の厚さを持つバースト層内で輸送されており, 砕波を伴う風波下の吹送流のモデル化においては, 砕波による強い乱れを伴うバースト層内の輸送機構の解明がの必須となることが明らかにされた.