2002 年 49 巻 p. 486-490
浮遊砂の巻き上げは砕波による波エネルギーフラックス損失に比例するとした, Katayama・Goda (2000) の断面2次元のマクロモデルに移流・拡散の過程を考慮することにより2DHモデルを開発した. このモデルを用い, 代表的な海域制御構造物である離岸堤, 突堤周辺に対して地形変化の予測計算を行い, 掃流砂を考えず浮遊砂のみを考慮することで沿岸方向の海浜地形変化が説明できるかを試みた. その結果, 高濃度浮遊砂雲の様子や地形変化の傾向を定性的には表せるが, 離岸堤の背後へ浮遊砂雲が海浜流に乗って輸送される様子や, 背後でトンボロの発達する現象の再現までは至らなかった.