2003 年 50 巻 p. 1356-1360
Bali島にあるSanur海岸南西部ではリーフの大規模掘削により航路を掘ると同時に, 掘削土砂による埋立地造成計画が立てられ, 計画は1997年から実施に移された. しかし従来静穏であった区域が, 水深の極端な増加に起因して波高・波向が大きく変化し, 結果として掘削穴の陸側では著しい侵食が起こると同時に, 全く新たに細長い島 (バリアー) が形成された. 本研究は, 2000年8月の現地踏査, 2001年7月のヘリによる斜め空中撮影, さらには掘削以前, 工事中および工事終了後の空中写真の比較, さらには波浪・海浜流の数値計算などによりリーフの大規模掘削に起因するバリアーの形成と侵食の実態を明らかにする.