強風・風向急変場・短吹送距離である伊勢湾台風来襲時の伊勢湾を対象に湾内波浪を波浪推算モデルSWANを用いて再現を試み, 推算結果からSWANに用いられている各項の特性について検討した. その結果, 風から波へのエネルギー輸送項にJanssen (1991) のquasi-linear理論を用いるとSnyderら (1981) の理論に比べて湾内波浪のスペクトルは低周波数側に移動し代表波高も増大した. また移流項に1次の風上差分を用いるとSWAN標準の高次の半陰解法を用いた場合に比べて波浪方向スペクトルの分布形が数値誤差により広がることが確認された.