様々な植生層を用いて風洞実験を行い, 植生形態が飛砂と風場に及ぼす影響を調べた.植生層のパラメータとしては, 植生モデルの形状および高さ, 変形の有無, ならびに遮蔽体積率 (単位空間に占める植生の割合) を用いた.60秒間風を作用させたときの植生領域の砂面高変化を調べた結果, 植生層の遮蔽体積率が大きく, 植生層高が小さい場合に植生層周辺は堆砂傾向にあった.植生領域の平均風速分布, 風場の乱れ, ならびに砂粒子のサルテーション軌道を調べた結果, サルテーション水平速度は風場の乱れが大きいほど顕著に減衰し, サルテーション高さは主流の流況パターンにより異なっていた.