風波の下での水中の乱流構造は近年広い分野で研究されているが, 従来の軌道速度と乱れの分離法では乱れはスペクトルの形でしか得られないため, 乱れに及ぼす波の位相の影響は分からない.また波のトラフ高さより上では乱れの測定例もない.著者らはPTVによる風波下の流速の測定結果に流れ関数法による軌道速度の計算結果を適用する方法を開発し, 村上ら (2001) はその処理方法を発展させた.本論文では風波の流速場に流れ関数法を適用する場合の問題点を明らかにすると共に, PTVを用いて水面ごく近傍での水中乱れ成分u', w'を波の位相の関数として測定した結果について報告する.